大人の芋掘り遠足

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数日前、名古屋市郊外の農家さんのところで農業体験をした。
午前中は雑草だらけの畑でサツマイモの収穫、午後は苗の定植千本ノック。

その時の話はまた別に書くとして、その翌日は元々友人たちと自分の畑のイモを掘る予定だった。農業体験の後、疲労困憊で早めに床についたのはいいが、体が疲れすぎてうまく眠れず数時間おきに起きてしまった。

芋掘り遠足当日、朝起きると全身がこの世のものとは思えない筋肉痛。全身の筋肉が熱い!そんなボロボロの体を引きずって、2日連続の芋掘り第2ラウンド。

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大人4人で赤子2人連れての畑遊びは中々大変。子供の頃やった芋掘りは、実は農家さんが前もって、イモの周りの土をふわふわに掘り起こしてくれていた。そのおかげで非力な子供でも収穫の喜びを体験することができた。

しかし大人のガチ芋掘りはそうはいかない。必死に這いつくばって、どこまで続くかわからないイモの周りを掘り続けた。

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その成果がこちら!
小さな畑だから以外とあっさり短時間で終わって、イモ掘ってた時間よりベンチでおにぎり食べて駄弁ってた時間の方が長いんじゃないかっていう。
参加した全員が、人とレジャー的な用事で出かけること、野外でごはんを食べることを久しぶりにしたと口々に言っていた。
忘れかけてた心が潤う瞬間を、少し思い出すことができた1日だった。

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しかし私の芋掘り遠足はまだ終わっていない。欲張って、すべて持って帰ってきたイモヅル。今からネトフリのドラマを見ながら、これの皮むきをしてキムチを漬ける!
一緒に芋掘りした友人にも、イモヅルを食べたことがないというレンタルファームの指導員の方にもイモヅルキムチをお裾分けして、その美味しさを知ってほしい。

イモヅルの食材としての有効活用を促進するため、勝手にイモヅル親善大使気分で使命感を感じているところ。

白菜の定植と畑の小苗たち

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台風も通り過ぎ、畑に行ってきた。土に水分が多くて作業がやりづらいし、水気の多くなった土を踏み固めてしまうから、本当は大雨のすぐ後には畑に入らないほうがいいらしい。が、スケジュールに制約のある都市農夫たちは、晴れたら行っておきたいのが人情。

ベランダで大きくなった白菜の苗を持って畑へ。

ねずみ大根が随分大きくなっていた。

グリーンピース。植える時しわしわだったタネは、水を吸ってぷっくり膨らみ、個性的な芽を出していた。冬を越すから虫害もそんなに心配なく、来年の春には1株につき80粒くらい収穫できるらしい。豆ごはんが楽しみだ。

かつお菜。蒔いた通りにお行儀よく一列で生えてきた。食べたことない野菜だけど、農園でタネをくれたので蒔いてみた。ダシが要らないくらい旨味が出るから「かつお菜」らしい。

パクチーパクチーも冬越しできる丈夫なやつ。シュッとした細長いのがパクチーの芽。その周りの丸い葉は雑草。指導をしてくれるスタッフの方が、雑草をやたらと抜かない派の方なので、それに倣って共存させてみる。

前に作っておいた畝に、白菜の苗を定植。

白菜は虫に食われやすいらしいので、虫よけネットのトンネルを設置。年末には白菜になる予定。美味しいキムチになるためにがんばってくれよー。

この日は元々植わっていた小豆が、アブラムシと蟻の盛大なパーティーによりダメになっていたから抜いてしまって、その区域の整地もやった。
いつ行っても畑にいる、何年もこの畑を利用しているというおじいさんが手伝ってくれて無事作業を終えられたけど、私一人だったら草刈りしただけで力尽きていたと思う。私とおじいさんの共同作業の結果(ビフォーアフター)がこちら。

一般企業ではいかにラクに効率よく仕事をするかという姿勢が「ズル」みたいに思われたりする傾向があるけど、おじいさんがどんどん体力を使わないやり方を提案してくれたお陰で作業が進み、農作業はいかにラクに作業をするかというのを考えながらやる必要があると教わった。

今週中にはサツマイモも収穫し、今回整地した場所も含めて何を植えようか検討中。玉ねぎとにんにくとネギは確定。もっと植えれるかな。幸せな悩み。

白菜の抜き菜

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白菜のタネを蒔いた育苗箱。苗として畑に植えるものは、既に苗用ポットに移植済。少しずつ抜いて食べようとそのまま残しておいた選抜落ちのメンバーだけど、他のタネを蒔くためにトレイを空ける必要があり、全部抜いてしまうことに。

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抜いた白菜の芽。産毛が生えていてかわいい。ポット上げした子たちよりは、生育環境が脆弱だからかやっぱり小さい。でもチリチリした葉のフチの形なんかを見ると、既に白菜の面影を感じる。

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さて、どうやって食べようかな。

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コッチョリ(和え物のような浅漬けのキムチ)にしようかと思ったけど、急に寒くなったからトゥブチョリム(韓国の豆腐の煮付け)を作って、その上にトッピングしてみた。

ちょっと味が濃くなってしまったずっしり木綿豆腐の煮付けと、柔らかくて歯ざわりの軽い白菜の抜き菜の組み合わせがとても良く合った。

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※日本語字幕あり

最近、韓国の田舎暮しの動画をよく見る。このチャンネルは、映像もきれいでお洒落感もあって、こんな素敵な家の庭で野菜も果物も何でも採ってきて料理するなんて夢の生活だなーと思いながら見てるんだけど、ベランダの野菜を摘んで料理をしている自分も近からずとも遠からずだなと思った。

常に頭の中に思い描いていることは実現しやすいと言う。
理想の生き方をするためには、まず理想とするものがあることがその第一歩。少しずつ近づいていければいいなと思う。

りんごの思い出(長野編)

スーパーの産直コーナーに、珍しく長野県産のりんごがあった。3年前、長野県の渋温泉でりんごを食べて以来、「長野県のりんごは美味しい」という刷り込みができてしまった。

 
 
 
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その時りんごをいただいたのは、温泉街にある純喫茶信濃路。ご高齢の女性オーナーと息子さんが営む、懐かしい感じの小さな珈琲店。コーヒーを注文すると、りんごを剥いて出してくれた。それがとても甘くて冷たくて、瑞々しくておいしかった。

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丁寧に淹れられたドリップコーヒー、入店時流れていたフォークソングのカセットテープ、私を見てBGMを最近のJ-POPに変えてくれたこと、ひとつひとつの思い出と相まってその美味しさが記憶に深く刻み込まれ、それ以来私は長野県産のりんごを探すようになった。

でも私の住む名古屋市では、スーパーに青森県産のりんごが並んでいて、長野県のりんごはあまり見かけない。

今読んでいる本「タネが危ない」。この本に、生産された作物が地元で直接流通せず、一旦東京や大阪等に集約されてまた産地に戻ってくるというようなことがあると書かれていた。

honto.jp

この本も2011年に刊行されたものだから、今はまた事情が違うかもしれないけど、長野県のりんごがこんなに近い愛知県でなかなか見かけないのも、何かそういった流通上の大人の事情なのかもしれない。

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長野のりんごはやっぱり美味しかった。きめ細やかで実がきゅっと引き締まっていて、甘く瑞々しく華やかな香り。

 

※純喫茶信濃路について

nano.shinmai.co.jp

 

 

韓国料理を「日常」にしたいあなたへ (調味料について)

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海外旅行に行けなくなって、もうしばらく経つ。Twitterを見ていると、旅行に行きたくて仕方ない人たちが、機内食の再現料理を始めたり、外国の機内アナウンスや電車内アナウンスをモノマネをやり出したり、その切実な旅行行きたさに共感し胸が苦しい。

旅先の各国料理食べたさに苦しんでいる人も多々見かける。その中で、韓国料理が恋しい人にこの記事を捧げようと思う。以下にあげる調味料を揃えれば、食べたくなったらすぐ韓国のあの味を再現できる。

「今日は韓国料理を作ろう」と思わなくても、気負わず日常の中に韓国料理を取り入れていって欲しいと思う。

その1.ごま油(チャムギルム)

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韓国料理を作らなくても、美味しいごま油があるとちょっと食卓の幸福度がアップする。そんな存在。
韓国料理には香りの強いタイプや濃い口と謳ってある商品がおすすめ。鮮度が大事だから、韓国産にこだわる必要はない。

熱を加えると酸化するとのことで、基本的にはナムルに入れたりピビンバに入れたり、塩と一緒にタレとして焼肉をつけて食べたり生食が推奨されているけれど、私は料理している時の香りが好きで炒めものにも使っている。

その2.粉唐辛子(コチュカル)

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辛さだけではなく甘みもあり、華やかな香りと色合いも添えてくれる韓国産粉唐辛子。韓国食材店で200g 600円程。私は種の入っていない甘口中挽きのものを使っている。用途が広い気がして。

ストック分は冷凍庫保管。普段使う分も冷蔵庫保管がいいらしいけど、私はそのまま常温で調味料棚に置いている。使わずに長期間常温に置きっぱなしにすると、変色して味も落ちるので注意。

その3.おろしにんにく(タジンマヌル)

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ありとあらゆる韓国料理に大量に入れるにんにく。
まとまった量をおろし、小分けして冷凍しておくと便利。面倒でなければ、都度おろしたり潰したりする方が味と香りが良い。

煮干しでダシをとった小松菜のお味噌汁におろしにんにくを一匙加えれば、もうそれはいつか韓国の定食屋で食べたテンジャングッなのだ。

ここまでの3つは、優先順位をつけられない必須の調味料だと思う。ここから下は、「まぁ敢えて言わなくても大体あるだろ」というものと「あればなお良い」というもの。

その4.白ごま(チャムケ)

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日常的に料理をするお家には、大体あるのではないだろうか。
ナムルには大体入れるし、料理の仕上げにデコレーションとしても多用する。凡庸なようで、そのひと振りが無いと味も見た目も物足りない必須の調味料だけど、「まぁあるだろう」ということで四番手。

その5.梅エキス(メシルチョン)

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私個人的には必須の調味料。
初夏に青梅を砂糖で漬けて作る梅シロップのこと。今年は梅を適当な値段で入手できず、モタモタしてる内にシーズンが過ぎてしまい市販のものを購入。今回買ったものはすごく黒いけど、韓国では何年も熟成させて使う人も多く、こんな色なのも珍しいことではない。梅干しに比べて工程数も少ないので、手作りがおすすめ。韓国食材店で製品としても売られていて、パウチタイプやペットボトルタイプがある。

殺菌効果があると言われ栄養価も高いことから、夏場には特に色々な料理に隠し味として使用。ナムルに少し加えると、本場っぽい味わいになる。一度使うと、その本場っぽさに手放せなくなる。

その6.コチュジャン

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コチュジャンは一般的なスーパーでも売ってるし、韓国料理をあまり作らないお家でも冷蔵庫の奥で眠っているということも多いのでは? 韓国料理といえばまず思い浮かぶ調味料だと思うけど、意外とそんなに使わない。ただ、ダッカルビとかチェユクポックムとか、赤い炒めもの系には大体入ってる。

お酢やおろしにんにく、砂糖を加えると、お刺身や野菜をつけて食べる「チョコチュジャン」になり、味噌とおろしにんにくを加えると焼肉やごはんをサンチュで包んで食べる時の「サムジャン」になる。

その7.魚醤(エッチョッ)

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一気に現地っぽさが出るアイテム。韓国の食堂で「韓国っぽい匂いだな」と感じる匂いがあると思うけど、それがおそらく魚醤の匂い。スンドゥブチゲやキムチチゲ等チゲ類に多く使われ、深い旨味を出してくれる。韓国のインスタントラーメンにも少し入れると旨味アップ。キムチ作りにも欠かせない調味料。

私もキムチを自分で作るまでは、あまり認識していなかった調味料だけど、ある種韓国料理の核と言ってもいいと思う。他にも韓国は、アミエビや小魚、魚の内臓を塩漬けにしたチョッという塩辛が豊かで、特に南の地方ではキムチにも加えたり、色々な料理に塩辛が使われている。

個人的にはナンプラーでも代用可能だと思っていて、実際にナンプラーを使ったこともあるけど味に大きな影響はなかった。

前に普通の味噌汁がひと味足りなくて、隠し味に少しエッチョッを入れてみたらとても美味しかった。旨味のポテンシャルがすごい。

粉唐辛子と魚醤、おろしにんにく、白ごまがあれば、ワケギやニラ等の簡単なキムチが手軽に作れる。

基本の調味料+「イマジナリー韓国のおばちゃん」を胸に

和食が酒、醤油、みりん、お出汁の組み合わせと素材の味で多種多様な味わいを出せるのと同じで、韓国料理の味も限られた調味料で構成されているから、この7種類があれば大体の韓国料理が作れるはず。
あとは韓国のおばちゃんの華麗な手さばきを見て、イメージトレーニングをすれば勘がつかめると思うので、気軽に色々作ってみてほしい。

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夏の終わりに、エゴマの通知表

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エゴマを育てるのは今年が2年目だった。
1年目にはプランター1個。都度都度摘んで食べつつ、保存食のキムチや醤油漬けを作るには足りなかったから、今年はプランター2個にした。

去年とは違い、今年は苗が見つけられなかったのでタネから育てた。
これがエゴマの双葉。とてもかわいい。
金魚の水槽に浮いている水草のような、ぷっくりとした個性的な双葉。

 
 
 
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真夏には、消費が追いつかない程もさもさと成長。

 真夏は暑すぎるのかいなかったハダニが、9月に暑さが落ち着いてきたら大量発生。
ちょうどこの頃、毎日のようにテープでハダニを1匹1匹取り除くという、気の遠くなりそうな作業をしていた。
ハダニは乾燥した場所を好むということで、水やりのとき、葉っぱもびしょびしょに濡れるようにしてみたら、ようやく子育て環境として適さないと認識してくれたらしく、ハダニは少しずついなくなった。

 

ジョン(韓国のお焼きのようなピカタのような料理)にして食べたり、お肉を包んで食べたり炒めものにいれたり、ベランダにあるとやっぱりサっと使えるのがいい。
私はガパオライスをエゴマの葉で作ったりもする。これがなかなか美味しい。

 

今年は、醤油漬けとキムチをたくさん貯蔵することを意識した。去年の収穫量だと漬けてもすぐ食べて無くなってしまうので、冬まで持たなかった。
今年はプランター2つに増やしたこともあり、こまめに収穫して漬けたのもあり、ほくほくできるくらいの量は生産できた。

 
 
 
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醤油漬けキムチの量を見てこの夏の収穫量に満足していたところへ、エゴマからの通知表が届いた。1週間前、ついに花をつけ始めたのを発見。花をつけ始めたら葉は食べないことにしているのと、もう本当に秋が来たんだなと少し切ない気持ちになりつつ、今年もちゃんと元気に花をつけてくれて嬉しい。

その上、この花の天ぷらがとても美味しいということを小耳に挟んで、今はそれをとても楽しみにしている。
去年は実をとったんだけど、ゴミと選別している間にほとんど無くなっちゃうから、今年は花を食べようと思う。