韓国料理を「日常」にしたいあなたへ (調味料について)
海外旅行に行けなくなって、もうしばらく経つ。Twitterを見ていると、旅行に行きたくて仕方ない人たちが、機内食の再現料理を始めたり、外国の機内アナウンスや電車内アナウンスをモノマネをやり出したり、その切実な旅行行きたさに共感し胸が苦しい。
旅先の各国料理食べたさに苦しんでいる人も多々見かける。その中で、韓国料理が恋しい人にこの記事を捧げようと思う。以下にあげる調味料を揃えれば、食べたくなったらすぐ韓国のあの味を再現できる。
「今日は韓国料理を作ろう」と思わなくても、気負わず日常の中に韓国料理を取り入れていって欲しいと思う。
- その1.ごま油(チャムギルム)
- その2.粉唐辛子(コチュカル)
- その3.おろしにんにく(タジンマヌル)
- その4.白ごま(チャムケ)
- その5.梅エキス(メシルチョン)
- その6.コチュジャン
- その7.魚醤(エッチョッ)
- 基本の調味料+「イマジナリー韓国のおばちゃん」を胸に
その1.ごま油(チャムギルム)
韓国料理を作らなくても、美味しいごま油があるとちょっと食卓の幸福度がアップする。そんな存在。
韓国料理には香りの強いタイプや濃い口と謳ってある商品がおすすめ。鮮度が大事だから、韓国産にこだわる必要はない。
熱を加えると酸化するとのことで、基本的にはナムルに入れたりピビンバに入れたり、塩と一緒にタレとして焼肉をつけて食べたり生食が推奨されているけれど、私は料理している時の香りが好きで炒めものにも使っている。
その2.粉唐辛子(コチュカル)
辛さだけではなく甘みもあり、華やかな香りと色合いも添えてくれる韓国産粉唐辛子。韓国食材店で200g 600円程。私は種の入っていない甘口中挽きのものを使っている。用途が広い気がして。
ストック分は冷凍庫保管。普段使う分も冷蔵庫保管がいいらしいけど、私はそのまま常温で調味料棚に置いている。使わずに長期間常温に置きっぱなしにすると、変色して味も落ちるので注意。
その3.おろしにんにく(タジンマヌル)
ありとあらゆる韓国料理に大量に入れるにんにく。
まとまった量をおろし、小分けして冷凍しておくと便利。面倒でなければ、都度おろしたり潰したりする方が味と香りが良い。
煮干しでダシをとった小松菜のお味噌汁におろしにんにくを一匙加えれば、もうそれはいつか韓国の定食屋で食べたテンジャングッなのだ。
ここまでの3つは、優先順位をつけられない必須の調味料だと思う。ここから下は、「まぁ敢えて言わなくても大体あるだろ」というものと「あればなお良い」というもの。
その4.白ごま(チャムケ)
日常的に料理をするお家には、大体あるのではないだろうか。
ナムルには大体入れるし、料理の仕上げにデコレーションとしても多用する。凡庸なようで、そのひと振りが無いと味も見た目も物足りない必須の調味料だけど、「まぁあるだろう」ということで四番手。
その5.梅エキス(メシルチョン)
私個人的には必須の調味料。
初夏に青梅を砂糖で漬けて作る梅シロップのこと。今年は梅を適当な値段で入手できず、モタモタしてる内にシーズンが過ぎてしまい市販のものを購入。今回買ったものはすごく黒いけど、韓国では何年も熟成させて使う人も多く、こんな色なのも珍しいことではない。梅干しに比べて工程数も少ないので、手作りがおすすめ。韓国食材店で製品としても売られていて、パウチタイプやペットボトルタイプがある。
殺菌効果があると言われ栄養価も高いことから、夏場には特に色々な料理に隠し味として使用。ナムルに少し加えると、本場っぽい味わいになる。一度使うと、その本場っぽさに手放せなくなる。
その6.コチュジャン
コチュジャンは一般的なスーパーでも売ってるし、韓国料理をあまり作らないお家でも冷蔵庫の奥で眠っているということも多いのでは? 韓国料理といえばまず思い浮かぶ調味料だと思うけど、意外とそんなに使わない。ただ、ダッカルビとかチェユクポックムとか、赤い炒めもの系には大体入ってる。
お酢やおろしにんにく、砂糖を加えると、お刺身や野菜をつけて食べる「チョコチュジャン」になり、味噌とおろしにんにくを加えると焼肉やごはんをサンチュで包んで食べる時の「サムジャン」になる。
その7.魚醤(エッチョッ)
一気に現地っぽさが出るアイテム。韓国の食堂で「韓国っぽい匂いだな」と感じる匂いがあると思うけど、それがおそらく魚醤の匂い。スンドゥブチゲやキムチチゲ等チゲ類に多く使われ、深い旨味を出してくれる。韓国のインスタントラーメンにも少し入れると旨味アップ。キムチ作りにも欠かせない調味料。
私もキムチを自分で作るまでは、あまり認識していなかった調味料だけど、ある種韓国料理の核と言ってもいいと思う。他にも韓国は、アミエビや小魚、魚の内臓を塩漬けにしたチョッという塩辛が豊かで、特に南の地方ではキムチにも加えたり、色々な料理に塩辛が使われている。
個人的にはナンプラーでも代用可能だと思っていて、実際にナンプラーを使ったこともあるけど味に大きな影響はなかった。
前に普通の味噌汁がひと味足りなくて、隠し味に少しエッチョッを入れてみたらとても美味しかった。旨味のポテンシャルがすごい。
粉唐辛子と魚醤、おろしにんにく、白ごまがあれば、ワケギやニラ等の簡単なキムチが手軽に作れる。
基本の調味料+「イマジナリー韓国のおばちゃん」を胸に
和食が酒、醤油、みりん、お出汁の組み合わせと素材の味で多種多様な味わいを出せるのと同じで、韓国料理の味も限られた調味料で構成されているから、この7種類があれば大体の韓国料理が作れるはず。
あとは韓国のおばちゃんの華麗な手さばきを見て、イメージトレーニングをすれば勘がつかめると思うので、気軽に色々作ってみてほしい。